研究テーマは「現代香港論」です。中学生の時にみた「燃えよドラゴン」がきっかけとなり、香港を香港たらしめる「香港的」なものは何かを考えてきました。
　学部の卒業論文では香港の言語教育政策、修士論文では学生運動の動態から香港の人々のアイデンティティの模索をとりあげ、その後、1980年代からの選挙を題材に香港の政治と社会の関係を分析してきました。返還後の変化を念頭に、最近は中国内地との関係の中で香港をとらえるよう心がけています。また、オーラルヒストリーの蓄積を活用したり、友人の一族のリユニオンに参加したりしています。
　フィールドが近いので、香港になるべく多く足を運ぶようにしています。研究と直接関係ありませんが、いつもわたしを歓迎してくれる地元の友人がわたしの研究の活力です。
　最後に、糸偏が好きなわたしは、着物を着て何かをすることが好きです。最近ようやくゆかたに文庫が結べるようになり、盆おどりデビューしました。

単行本（共著、分担執筆など）
□原典中国現代史　第７巻　台湾・香港・華僑華人（共編著、岩波書店、1995）
□岩波現代中国事典（香港マカオと華僑華人について編集協力者および項目執筆、岩波書店、 1999）
□香港および香港問題の研究（「香港の区議会選挙分析」を分担執筆、東方書店、1991）
□グレーター・チャイナの政治変容（「香港における「港人治港」と政治社会の変容」を分担執筆、勁草書房、 1995）
□講座現代中国の構造変動　第７巻　中華世界－アイデンティティの再編（「香港人意識と中国人意識」を分担執筆、東京大学出版会、 2000）
□模索する近代日中関係　対話と競存の時代（共編）（東京大学出版会、2009）
□イギリス帝国と20世紀　第5巻　現代世界とイギリス帝国（「香港の中国回帰」を分担執筆、ミネルヴァ書房、2007）
□現代東アジア　朝鮮半島・中国・台湾・モンゴル（「香港」を分担執筆、慶應義塾大学出版会、2009）
□現代東アジアの政治と社会（「香港(1)　総督から行政長官まで」「香港(2)―「華人の都」と「中国の一都市」の共存」を分担執筆、放送大学教育振興会、2010）
□高校生のための東大授業ライブ　ガクモンの宇宙（「香港から考える」を分担執筆、東京大学出版会、 2011）
□インタビュー　戦後日本の中国研究（「同時代研究としての中国研究―岡部達味」のインタビュー記録の整理、平凡社、 2011）
□はじめて出会う中国（「消費され輸出される文化」「中国人は世界をめざす」を分担執筆、有斐閣、2013）
□歴史・文化からみる東アジア共同体（「香港と東アジア共同体」を分担執筆、創土社、2015）

学術論文
●返還後10年の香港政治　香港経験の越境の可能性（『問題と研究』 36巻4号、2007）
●管理された民主化　普通選挙導入をめぐる香港の事例（『東洋文化研究所紀要』155冊、2009）
●現代香港における「政治」の出現（『日本比較政治学会年報』 12号（都市と政治的イノベーション、2010）
●カナダへの香港人移民（ 『東洋文化研究所紀要』157冊、2010）
●返還後の香港における区議会選挙（『ODYSSEUS』15号、2011）
●広東関元昌一族にみる華人ネットワークの展開　（『朝鮮族研究学会誌』1号、2012）
●中日両国における東アジア共同体研究 （魏志江と共著、『ODYSSEUS』16号、2012）

その他
• 「清末中華民国初期の日中関係史　協調と対立の時代」日中関係国際シンポジウム事務局（駒場キャンパス、2007）
• アジア政経学会全国大会実行委員長（駒場キャンパス、2012）
• 香港の立法会（評議会）選挙のフィールド調査（1991,1995,1998,2000,2004,2008,2012）
• 香港の区議会・市政評議会選挙のフィールド調査（1991,1994,1999,2003,2007,2011）
• 天安門事件追悼集会のフィールド調査（2010,2011）
• 香港の返還記念日のフィールド調査（2010, 2012）
• 台湾総統選挙および立法院選挙のフィールド調査（2000,2012）
• 広東省関元昌一族のリユニオン活動のフィールド調査（2009,2010,2012）
• 広東省容閎・容星橋一族のリユニオン活動のフィールド調査(1998,2011)
• 香港石澳村太平清醮（10年に1回実施）のフィールド調査（1986,1996,2006）
• 北米チャイナタウンのフィールド調査（1998,1999,2000,2009,2011）

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