自己紹介

自己紹介


研究の主なテーマは、第二次世界大戦後のイギリスの対外政策です。大学院時代から取り組み、2008年に著書としてまとめたテーマは、イギリスの欧州経済共同体(EEC)への第一回加盟申請(1961年)にいたる政策転換で、英米関係やコモンウェルス(英連邦)諸国との関係を積極的に視野に取り込みつつ、イギリスの対ヨーロッパ政策の変化を分析することを試みました。その後、コモンウェルスに焦点を当てて2012年に2冊目の著書を刊行しましたが、その際には、コモンウェルス自体の制度的特徴に加えて、イギリス、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、インドなど複数のコモンウェルス加盟国の政策、コモンウェルス諸国間の人の移動を含む非公式の関係などに着目して、英連邦の歴史と現状を多面的に明らかにするように努めました。学生に皆さんには、ぜひ自分自身の興味関心を大切にしつつ、本や論文を通して得られる知識を深めるとともに、自らが関心のある地域や事象について積極的に見聞を広めてほしいと思います。

業績

業績

単行本(単著)
イギリス帝国からヨーロッパ統合へ―戦後イギリス対外政策の転換とEEC加盟申請―(名古屋大学出版会、2008)
英連邦―王冠への忠誠と自由な連合―(中央公論新社、2012)

単行本(共著、分担執筆など)
□ ブレア政権の対応外交(櫻田大造・伊藤剛編著『比較外交政策―イラク戦争への対応外交―』、明石書店、2004
□ 第一次EEC加盟申請とその挫折1958-64年―「三つのサークル」ドクトリンの段階的再編―(細谷雄一編『イギリスとヨーロッパ―孤立と統合の二百年―』、勁草書房、2009
脱植民地化とイギリス対外政策―公式帝国・非公式帝国・コモンウェルス―(北川勝彦編著『イギリス帝国と20世紀 第4巻 脱植民地化とイギリス帝国』、ミネルヴァ書房、2009)
□ 「豊かな時代」と保守党政権の盛衰―イーデン・マクミラン・ダグラス=ヒューム政権 1955~64年―(梅川正美・阪野智一・力久昌幸編著『イギリス現代政治史』、ミネルヴァ書房、2010
□ 「三つのサークル」のなかのイギリス(木畑洋一・秋田茂編著『近代イギリスの歴史―16世紀から現代まで―』、ミネルヴァ書房、2011
□ イギリス(森井裕一編『ヨーロッパの政治経済・入門』、有斐閣、2012
□ 脱植民地化と大西洋同盟の動揺―ドゴールとマクミラン―(益田実・小川浩之編著『欧米政治外交史―1871~2012―』、ミネルヴァ書房、2013)
□ 二一世紀の欧米世界―G・W・ブッシュとブレア―(益田実・小川浩之編著『欧米政治外交史―1871~2012―』、ミネルヴァ書房、2013)
□ 戦後アジア・ヨーロッパ関係史―冷戦・脱植民地化・地域主義(「コモンウェルスの絆―マクミラン首相のアジア歴訪、1958年」を分担執筆、慶應義塾大学出版会、2015)
□ 冷戦史を問いなおす―「冷戦」と「非冷戦」の境界(「冷戦・アパルトヘイト・コモンウェルス―イギリス対外政策と南アフリカへの武器輸出問題、1955~1975年」を分担執筆、ミネルヴァ書房、2015)
□ 歴史のなかの国際秩序観―「アメリカの社会科学」を超えて(「マクミラン政権の国際秩序観と「英米特殊関係」再強化の試み」を分担執筆、共編、晃洋書房、2017)

学術論文
● “Britain’s Commonwealth Dilemma: Discussions with Australia, Canada and New Zealand and Transition of British Trade Policy, 1956-59”, Contemporary British History, Vol.17, No.3 (2003)
● 「新コモンウェルス」と南アフリカ共和国の脱退(1961年)―拡大と制度変化―(『国際政治』第136号、2004)
● 「英米特殊関係」とイギリスの第一回EEC加盟申請、1955-61年(『日本EU学会年報』第25号、2005)
● イギリス・コモンウェルス関係とPKOの成立と変容―パレスティナ・カシミールからコソボ・東ティモールまで-(『軍事史学』第42巻第3・4合併号/軍事史学会編『PKOの史的検証』、錦正社、2007
● ブレア政権とヨーロッパ統合政策―政権交代と政策の継承と変化―(『国際安全保障』第38巻第3号、2010)

翻訳
O・A・ウェスタッド『グローバル冷戦史-第三世界への介入と現代世界の形成-』(共訳、名古屋大学出版会、2010)

その他
・ 益田実・小川浩之・吉田徹・潘亮・宮城大蔵・鈴木一人「シンポジウム イギリスは、モデルたりうるのか―地域統合のなかのイギリスと日本―」(『外交フォーラム』第250号、2009)
・ ヨーロッパ(現代―イギリス)(2012年の歴史学界―回顧と展望―)(『史学雑誌』第122編第5号、2013)

連絡先

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電子メールアドレス: ogawa [at] ask.c.u-tokyo.ac.jp (*注意 @は[at]で表示しています。)

研究室: 非公開

電話番号: 03-5454-4449