自己紹介

自己紹介


 私の研究関心は多岐にわたります。年代のうえでは、18から19世紀、20世紀転換期頃までのアメリカ合衆国の歴史と文化に強い興味を抱いてきました。近代史と総称されるものがその軸になると考えて良いでしょう。植民地開闢以来の多様な文化–人種・民族・ 性・階級・思想・自然環境等–がいかなる接触・混淆の過程を経て、国の体裁を整えるに至り、不断に変化する歴史的時空間の中で、それがどのような変容を遂げたのか。その歴史的体験はアメリカ合衆国の歴史的個性をどのように規定してきたのか。そして、その規定をアメリカ合衆国の国民自身はどう理解し、日本をはじめとする世界の人々はその規定とどのような関わりを持ってきたのか。それらの問題を常々考えています。
 今は、19世紀前半の合衆国における市民編成原理を析出する研究プロジェクトの代表を務めるかわわら、世界各国における反米に関する論文集を編集しています。指導学生には歴史を柔軟かつ大きな視点から見直すよう呼び掛けています。

業績

業績

単行本(共著、分担執筆など)
□常識のアメリカ・歴史のアメリカ―歴史の新たな胎動―(木鐸社、1993)
□多文化主義のアメリカ─揺らぐナショナルアイデンティティ(共編著、東京大学出版会、1999)
□Framing the Pacific in the 21st Century: Coexistence and Friction (co eds., CPAS, University of Tokyo, 2001)
□クレオールのかたち─カリブ地域研究(共編著、東京大学出版会、2002)
□浸透するアメリカ、拒まれるアメリカ (共編著、東京大学出版会、2003)
□太平洋世界の中のアメリカ―対立から共生へ―(共編著、彩流社、2004)
□新版 アメリカ学入門 (共編著、南雲堂、2004)
□史料で読むアメリカ文化史1―植民地時代(編著、東京大学出版会、2005)
□アメリカの歴史と文化(編著、放送大学教育振興会、2008)
□近代アメリカの公共圏と市民(編著、東京大学出版会、2017)

学術論文
●現代アメリカの出現( 「哲学者ジョサイア・ロイスの「地方主義」―理想主義者の社会哲学」を分担執筆、東京大学出版会、1988)
●文明としての徳川日本(「太平洋の登場─徳川日本と海」を分担執筆、中央公論社、1993)
●講座世界史2・近代世界への道 (「合衆国の形成─理念の共和国の誕生」を分担執筆、東京大学出版会、1995)
●日本イメージの交錯――アジア太平洋のトポス ( 「19世紀前半アメリカの太平洋像」を分担執筆、東京大学出版会、1997)
●現代アメリカ像の再構築―政治と文化の現代史(「ビアード夫妻と1920年代の日本」を分担執筆、東京大学出版会、1998)
●アメリカ研究入門・第3版 ( 「日米関係:文化」を分担執筆、東京大学出版会、2003)
●原典アメリカ史・9巻(「歴史の記憶と公共文化―エノラ・ゲイ展示とキング祝日法」を分担執筆、岩波書店、2006)
●大人のための近現代史・19世紀編(「アメリカの太平洋進出」を分担執筆、東京大学出版会、2009)
●岩波講座 東アジア近現代通史(「マシュー・モーリーとマシュー・ペリー:アメリカと太平洋」を分担執筆、岩波書店、2010)
●「幕末日本の合衆国憲法事始―福沢諭吉にいたるまで」『思想』, 761号, 1987,114-125.
●「建国の父祖達が綴ったアメリカ独立革命史―報告文学として読む場合」『言語文化論集』, 11巻/1 号, 1989, 49-69.
●「アメリカ独立革命と政治共同体としての国民の創造――帰化法を手掛かりに―」『年報政治学1990:特集18世紀の革命と近代国家の形成』,1991, 岩波書店, 131-149.
●「日本におけるアメリカの思想に関する研究:現代の哲学、社会評論を中心にして」『東京大学アメリカ研究資料センター年報』, 14号, 1992, 149-165.
●「もう一つの「多からなる一」――ジャマイカのアフリカ系住民に見るアフリカン・アイデンティティの交錯――」『東京大学アメリカン・スタディーズ』,4号, 1999, 31-49.
●“Memory Divided by More Than An Ocean: The Pacific War in Japan and the U.S.”, Pacific and American Studies, Vol. 3, 2003, 65-76.
●“History, distance and text: narratives of the 1853-1854 Perry expedition to Japan,” with Sheila Hones, Journal of Historical Geography, 32(2006), 563-578.
●“The Cultural Geography of the Opening of Japan: The Arrival of Perry’s Squadron and the Transformation of Japanese Understanding of the Pacific Ocean during the Edo Period,” ACTA ASIATICA, 93, 2007, 21-40.
●「大西洋から太平洋に:グローバル時代におけるアメリカ研究の行方」『オデッセウス』, 15号, 2010、pp. 1-17.
●” New Perspectives on American Studies: Introduction,” Nanzan Review of American Studies, vol. 33, pp. 5-11, 2011.
● 高校生のための東大授業ライブ――学問からの挑戦( 「19世紀アメリカ合衆国からみた太平洋の「かたち」――歴史を動かした空間のイメージ」 を分担執筆、東京大学出版会、2015)

その他
・「人種の原理から文明の原理へ―1909年シアトル世界博覧会をめぐる一考察」, 科学研究費補助金基盤研究(A)成果報告書, 能登路雅子(編) 『アジアにおけるアメリカ文化外交の展開と変容』(2009), 46-56.
・「共同研究「公共文化の胎動」:その成果と課題」、科学研究費補助金基盤研究(A)成果報告書, 遠藤泰生(編)『公共文化の胎動:建国後の合衆国における植民地社会規範の継承と断絶に関する研究.』(2011), 1-10.

連絡先

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