自己紹介

自己紹介

わたくしが専門に研究しているのはラテンアメリカの歴史、とくにアンデスの先スペイン期(インカ)から植民地時代までの社会史です。研究をはじめた頃から、一貫して、アンデスやスペインの古文書館に眠る手稿史料を渉猟してきました。公証人文書や裁判文書、異端審問の記録や教会文書などに見出される痕跡を通じて、16~18世紀のアンデスの人々が感じたこと、考えたこと、闘ったことの歴史を再構成しようと日々あがいています。大学院の授業ではずうっと古文書読解を通じた歴史分析をおこなってきました。少人数の授業ですが、最初は、古い文字や略字に慣れずに苦闘していた方々が、数ヶ月後には、行間をも読む力を身につけていくのを見ることは、実に教師冥利に尽きます。彼らはその後、読解の技法を鞄に詰めて、海外での文書調査に旅立っていきます。強いて趣味をあげれば、キャッチボール、それから文書館での仕事の合間に、カメラを片手に散歩をすることも喜びの一つです。

業績

業績


単行本(単著)
■インカとスペイン~帝国の交錯(講談社、2008/講談社学術文庫、2018)
■インディオ社会史−アンデス植民地時代を生きた人々(みすず書房、2017)
■印加與西班牙的交錯─從安地斯社會的轉變,看兩個帝國的共生與訣別(八旗文化、2018)
単行本(共著、分担執筆など)
□世界史への問い・第5巻 (「異文化の統合と抵抗―17世紀ペルーにおける異教根絶巡察を中心に」を分担執筆、岩波書店、1990)
□南北アメリカの500年・第1巻 (「エスニシティの自己再生―インディオ・スペイン人・「インカ」」を分担執筆、青木書店、1992)
□アメリカ大陸の自然誌・第3巻 (「アンデス先住民とスペイン人の自然観」を分担執筆、岩波書店、1993)
□講座世界史・第2巻 (「植民地体制とインディオ社会―アンデス植民地社会の一断面」を分担執筆、東京大学出版会、1995)
□歴史の文法(「女たちのインカ」を分担執筆、東京大学出版会、1997)
□アンデス文化を学ぶ人のために (「17世紀アンデス社会考‐流動する時代」を分担執筆、世界思想社、1997)
□ラテンアメリカ文明の興亡(世界の歴史第18巻,高橋均との共著、中央公論社、1997)
□新版世界各国史26―ラテンアメリカ史(II)南アメリカ(「アンデス世界と植民地社会」「伝統文化の変容と抵抗」を分担執筆、2000)
□帝国と支配―古代の遺産(岩波講座世界歴史第五巻)(「アメリカ古代帝国の生成―インカをめぐる諸問題―」を分担執筆、岩波書店、1998)
□史料学入門 (「非文字社会と文字資料―アンデス史の場合」を分担執筆,岩波書店,2006)
□他者の帝国−インカはいかにして「帝国」となったか(「インカへの欲望−植民地主義と表象の歴史的連関をめぐって」を分担執筆、2008)
□高校生のための東大授業ライブ純情編(「インカ史断章」を分担執筆、東京大学出版会、2010)
□大学で学ぶ西洋史~近現代(「ラテンアメリカ」を分担執筆、ミネルヴァ書房、2011年)
□アンデス世界―交渉と創造の力学(「憑依の社会史―初期ペルー植民地における宗教・政治的コンフリクトの一断面」を分担執筆、世界思想社、2012)
□インカ帝国~研究のフロンティア(「インカ、その三つの顔~植民地期インカ表象の歴史的多様性について」を分担執筆、東海大学出版局、2012)
□The Inka Empire: a multidisciplinary approach (Three Faces of the Inka: changing conceptions and representations of the Inka during the colonial periodを分担執筆, University of Texas Press. 2015).
□Reducciones: La concentración forzada de las poblaciones indígenas en el Virreinato del Perú (Un milagro de la Virgen y la libertad de los indios en Lima: aspectos históricos de la reducción urbana en el caso del Cercado y el barrio de San Lázaroを分担執筆、PUCP、2017).
□El Imperio inka(Los tres rostros del inca: concepciones y representaciones cambiantes de los incas durante el periodo colonialを分担執筆、2018)

単行本(共編著)
□アンデス世界―交渉と創造の力学(共編者:染田秀藤 世界思想社、2012)
□南北アメリカの歴史(共編者 橋川健竜、放送大学教育振興会、2014)

学術論文
●「アンデスの隷属民―インカ社会のヤナコーナに関する一考察(上・下)」 (月刊百科4月号、7月号、平凡社、1988)
●“Las lágrimas de Nuestra Señora de Copacabana: un milagro de la imagen de María y los indios en diáspora de Lima en 1591”(東京大学教養学科紀要第22号、1990)
●”Lateinamerika und Japan im 16. und 17. Jahrhundert. Japaner in einer demographischen Untersuchung in Lima aus dem Jahre 1613', in: Veroeffentlichungen des Japanisch-Deutschen Zentrums Berlin, Bd.36(1999), S.47-56. (Referat im 'Symposium Die Beziehungen zwischen Deutschland, Japan und Lateinamerika ', 20.-22.03.1997)
●“El 'inga' y las mujeres limeñas: un estudio sobre la formación del nuevo simbolismo del inka a través de los procesos inquisitoriales del siglo XVII”(Actas del Tercer Congreso Internacional Mediadores Culturales,Condumex: México, 2001)
●「植民地期インカ・イメージ生成論再考」(Odysseus:東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要、 第7号、2003)
●「天使と悪魔~ペルー植民地社会における宗教と権力をめぐって」(2009年度立教大学ラテンアメリカ研究所報、2010)
●「17世紀都市リマにおける民衆的宗教実践の一断面~フアナ・デ・マヨの場合」(科学研究費補助金研究成果報告書『中近世ヨーロッパのキリスト教会と民衆宗教』(研究代表者:甚野尚志)、2010)

翻訳
○ミッシェル・ド・セルトー「沈黙の政治学―インディオの長い行進」(現代思想、vol.1, 18−9、青土社、1990)

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