自己紹介

自己紹介

研究分野は、英文学(イギリス・ロマン主義)です。狭義には18世紀末から19世紀前半の約30年のイギリス・ロマン主義時代を包摂する「長い18世紀」、「長い19世紀」、ロマン主義のコンセプトのヨーロッパをこえた影響の広がりを視野に入れた研究を進めたいと考えています。イギリス・ロマン主義の時代は、現代がかかえている諸問題――グローバリゼーション、オリエンタリズム、エスニシティ、移民、動物愛護などについて――の萌芽が見られ、それらにアプローチするために様々な越境/翻訳が試みられる時代です。そのことを示す試みの一端を、Percy Bysshe Shelleyを中心に扱ったStrange Truths in Undiscovered Lands (U of Toronto Press)にまとめました。イギリス・ロマン主義の時代という過去を柔軟で多角的な視点と堅実なテクスト分析の方法で分析することによって、現在と未来を照射できるような人文学研究と授業を目標としています。

業績

業績

単行本(単著)
Strange Truths in Undiscovered Lands: Shelley’s Poetic Development and Romantic Geography. (University of Toronto Press, 2009) (kindle version, July 2011)

本(共著、分担執筆など)
□「恐ろしき均衡:プロメテウスの創るロマン派的身体」(鈴木晃仁・石塚久郎編『身体医文化論:感覚と欲望』、慶応大学出版会、2002)、215-38頁.
□「帝国の不安とロマンティック・ハイブリッド」(恒川邦夫他編、『文化アイデンティティの行方』彩流社、2004)、392-406頁. 
□“Kubla Khan” and Orientalism“ (Richard Gravil, ed. Grasmere 2010: Selected Papers from The Wordsworth Summer Conference. Humanities-Ebooks, 2010), pp.77-100.
□「『この天来の小品』――シェリーの『インド風セレナード』再考」(新見肇子、鈴木雅之編、『揺るぎなき信念――イギリス・ロマン主義論集』 彩流社、2012)、195-209頁.
□「マクレーが未来に託す言葉――「フランダースの野に」を読み継ぐ試み」(東京大学教養学部(編)『知のフィールドガイド:分断された時代を生きる』白水社、2017)、110-22頁.
□「大胆な仕掛け――教室のフェリシア・へマンズ」(原田範行、阿部公彦、津田正(編)『教室の英文学』研究社、2017)、168-77頁.

学術論文
●“The Problem of Editing the Coleridge Notebooks.” Essays in English Romanticism. (イギリスロマン派学会)19-20 (1996), pp.15-29.
●“ ‘That Silent Sea’: The Ancient Mariner as a Romantic World Map.” Studies in English Literature. (日本英文学会)English Number 1996, pp.37-51.
●「1813年の妖精女王――シェリーのマブとフューズリのマブ」 『イギリス・ロマン派研究』24号(2000)、19-29頁.
●「“Mont Blanc”と地質学的崇高」Language, Information, Text (東京大学言語情報科学紀要)7(2000)、71-87頁.
●“Love as Infection: Hybridity and Multiple Idealisms in Prometheus Unbound” POETICA 54(2001), pp.71-92.
●「神話のない国――マクラハラン、サングスター、ルパン」『英文學春秋』(Kyoto English Review) 11(2002年春)、19-33頁.
●「“I Was a Stranger in a Strange Land”:カナダ的風景の創出に向けて」 『人文研究』第31号(千葉大学文学部紀要) 31(2002)、341-61頁.
●「ジオポリティクスからジオポエティクスへ――Wordsworthの湖水地方」 『ODYSSEUS』(東京大学大学院総合文化地域文化研究専攻紀要)8(2003)、1-13頁.
●「忘却の考古学(1):『生の勝利』と『アラブ人の夢』」 『ODYSSEUS』(東京大学大学院総合文化地域文化研究専攻紀要)10 (2005)、13-23頁.
●「流滴の楽園:Prometheus Unboundにおけるユートピアの空間の考察」 『ODYSSEUS』(東京大学大学院総合文化地域文化研究専攻紀要)11 (2006)、31-50頁.
●「過去を思い出すこと、過去を問うこと――ロマン主義とコロニアリズム」『英語青年』153/4(2007.7月号)、212-14頁.
●「イギリス・ロマン主義時代の『人種』――均質化と混成化の間で」『人種と人種主義を問う――地域文化研究の視点から――』(DESK東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター、 2008)、79-86頁.
●「毒の木」幻想とグローバリゼーション――Erasmus DarwinからRudyard Kiplingまで、『関東英文学研究』vol.2(Jan.2010) 、1-15頁(『英文学研究 支部統合号』237-251頁).
●“Artistry of Connection: Shelleyan Ottava Rima in ‘Hymn to Marcury” and “The Witch of Atlas” POETICA 82 (2014), pp.59-77.
●「天上の光の啓示とシビラの預言――イギリス・ロマン主義の「夜想」から2100年の終末へ――.」『Odysseus』 20 (2016)、59‐85頁.
●「漱石の淡黄の花――『草枕』とイギリス・ロマン主義」『比較文學研究』103(2017)、7-38頁.
●「「風に聞け」――ナイルの海戦とイギリス・ロマン派詩人」 『Odysseus』21 (2017)、57-78頁..

翻訳
○小谷野敦・アルヴィ宮本なほ子共訳、ハロルド・ブルーム著『影響の不安』(東京:新曜社、2004)プロローグ、第1,3,5章、エピローグと註、索引を担当、解説「遅れることの詩学」 293-324頁.
○『対訳シェリー詩集』(岩波文庫、2013)

その他
・「海外のシェリー研究の動向」  『英語青年』138:6 (1992)、283-84頁.
・「 Douglas LePan, “Whip-Poor-Will”: 神話のない国のナイチンゲール」(<訳注式>英語詩演習) 『英語青年』149:1(2003:4)、42-44頁.
・編集:W. Alex and N. M. Alvey, ed.  Romantic Connections. POETICA 82 Special Issue. Toky: Yushodo, 2014.



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