自己紹介

自己紹介

 西洋古典学をベースに、新約聖書を含む古代キリスト教文献を研究対象としています。西洋古典学とは古代ギリシア語・ラテン語で書かれた文献全般の研究ですが(本郷に専修課程があります)、特徴は、テクストを解釈する際、近現代の文献では「どの一言一句もゆるがせにしない」ことが求められるのに対し、「どの一言一句も伝承が不確実だ」という原則から出発するところにあります。古代キリスト教文献もまた、同じ言語で同じ時代に書かれた文献なので、同じことが該当します。が、それに加えて、「正しい信仰」ないしそれを定式化した「ドグマ」の成立が中世以降であることから、何を論じるにせよ、キリスト教信仰を「括弧に入れた」上での客観的な論証が必須となります。原典テクストもドグマも確かな土台にならないという条件で、説得力をもつ論理をどのように展開するか。苦労は絶えませんが、2千年以上の伝統を誇る、そして何より、面白い分野であることに間違いはありません。

業績

業績

単行本(単著)
■Die Auseinandersetzung mit den Markioniten im Adamantios-Dialog. Ein Kommentar zu den Buchern I-II (Berlin/New York, 2004)
■グノーシス―古代キリスト教の《異端思想》(講談社選書メチエ、2004)

単行本(共著、分担執筆など)
□ナグ・ハマディ文書Ⅱ-Ⅳ(計6文書の原典翻訳・注釈・解説、岩波書店、1998)
□聖書学用語辞典(全13項目の執筆、日本キリスト教団出版局、2008)
□大貫隆、筒井賢治(編訳)、「新約聖書・ヘレニズム原典資料集」(東京大学出版会、2013年)

学術論文
●キリスト教グノーシスにおける「霊」と「肉」―『ペトロの黙示録』(NHC VII, 3)からの考察―(新潟大学「比較宗教思想研究」7、2007)
●『ユダの福音書』の成り立ち―ユダの位置づけをめぐる考察―(新潟大学「比較宗教思想研究」9、2009)

翻訳
○ヴァルター・レベル『新約外典・使徒教父文書概説』(教文館、2001)
○クルト・ルドルフ『グノーシス』(共訳、岩波書店、2001)

連絡先

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電子メールアドレス: tsutsui [at] ask.c.u-tokyo.ac.jp (*注意 @は[at]で表示しています。)

研究室: 駒場・18号館509

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