自己紹介

自己紹介

 最初に取り組んだ研究らしきものは、20世紀前半の在日朝鮮人の歴史についてでした。最初から明確な問題意識があったわけではありませんが、一国史的な日本史の見直し、多文化主義や労働問題、民衆の間での相互扶助といったことに関心があってのことでした。その延長線上で、日本の戦時労務動員、日本帝国をめぐる人の移動、戦後日本における外国人労働者問題(これもそろそろ歴史学的に研究する必要があります)などに関心をもって、いくつかの研究をまとめてきました。
 学生のみなさんには、これまで当たり前とされてきた「日本」を問い直して新たな像を提示すること、愚直に生の史料に接し労を厭わず現場に足を運んで他者の話に耳を傾けながら研究を進めることを期待します。もちろん、私自身もそうした態度で研究を進め、範を示して行きたいと考えております。

業績

業績

単行本(単著)
■『在日朝鮮人社会の歴史学的研究―形成・構造・変容』(緑蔭書房、2004年)
■『朝鮮人強制連行』(岩波新書、2012年)

単行本(共著、分担執筆など)
□『日本軍「慰安婦」関係資料集成』(共編)(明石書店、2006年)
□『近代交流史と相互認識3』(「日本史・朝鮮史研究と在日朝鮮人史」を分担執筆、慶應義塾大学出版会、2006年)
□『都市空間と民衆:日本とフランス』(「戦間期日本の都市における日本人と朝鮮人」を分担執筆、山川出版社、2006年)
□『男性史2 モダニズムから総力戦へ』(「『日本内地』在住朝鮮人男性の家族形成」を分担執筆、日本経済評論社、2006年)
□『日韓新たな始まりのための20章』(「朝鮮人強制連行はなかったのか」を分担執筆、岩波書店、2007年)
□『日本帝国をめぐる人口移動の国際社会学』(「第一部 朝鮮 総説」と「日本帝国の渡航管理と朝鮮人の密航」を分担執筆、不二出版、2008年)
□『在日コリアン辞典』(高麗国際学会編・編集委員、明石書店、2010年)
□『移民研究と多文化共生』(日本移民学会編、「ポスト植民地主義と在日朝鮮人―帝国崩壊後の民族関係の変遷に注目して」を分担執筆、御茶の水書房、2011年)
□『朝鮮史研究入門』(朝鮮史研究会編、「在外朝鮮人史」を分担執筆、名古屋大学出版会、2011年)
□『日本と朝鮮・比較交流史入門―近世・近代そして現代』(原尻英樹・六反田豊と共編、「1945年以前の在日朝鮮人社会」「戦時下朝鮮の労務動員―独自の条件、制度・政策の特徴とその帰結」「植民地朝鮮に暮らした日本人」を共同執筆、明石書店、2011年)
□『日韓関係史 1965‐2015 Ⅰ 政治』(木宮正史, 李元徳編、「日韓条約以後の「在日朝鮮人問題」の展開」を分担執筆、東京大学出版会、2015年)

学術論文
●帝都東京の在日朝鮮人と被差別部落民(『部落解放研究』 第171号、2006年)
●アジア太平洋戦争末期朝鮮における勤労援護事業(『戦争責任研究』 第55号、2007年)
●식민지기의 조선대중 예능과 일본인 植民地期の朝鮮大衆芸能と日本人(『일본공간』 日本空間、第2号、国民大学日本学研究所、2007年)
●植民地朝鮮を生きた朝鮮人にとっての日本―民族指導者尹致昊の日記から見えてくるもの(『日本の科学者』、45巻12号、2010年)
●日本における朝鮮人危険視の歴史的背景―関東大震災時の朝鮮人虐殺の前提とその後(『日本学』、第32号、東国大学文化学術院日本学研究所、2011年)
●安定成長期日本の外国人労働者―グローバリゼーション下の移動の胎動(『アジア太平洋討究』第19号、早稲田大学アジア太平洋研究センター、2013年)
●戦後日本政治のなかの在日朝鮮人問題.(『歴史評論』 788号、歴史科学協議会、 2015年)
●戦後日本における朝鮮植民地支配の歴史認識( 『神奈川大学評論』 81、神奈川大学、2015年)
●日本人は「在日朝鮮人問題」をどう考えてきたか?(『ヨーロッパ研究』 14号、東京大学大学院総合文化研究科附属グローバル地域研究機構ドイツ・ヨーロッパ研究センター、2015年)

連絡先

連絡先

電子メールアドレス: tonomura [at] ask.c.u-tokyo.ac.jp (*注意 @は[at]で表示しています。)

研究室: 駒場・14号館510B

電話番号: 非公開