自己紹介

自己紹介

 坂口安吾に「学問は限度の発見だ。」という箴言があります。「人間は,決して勝ちません。ただ負けないだけだ。」に続けてそう言い,「私は,そのために戦う。」というシビレるような啖呵を切っています。大戦に負け,焦土と化した日本を眼前に『堕落論』の著者は,人間の性(さが)と生を力強く肯定しました。あの「三・一一」から,私は安吾のこのことばを日々かみしめています。科学の発見も人文学の思考も,その究極の目標は人間の限度の把握にあるはずです。それは,安吾も言うように,諦観や冷笑や退嬰とは正反対の,人間に対する無限の信頼に発する「知」の肯定でしょう。とはいえ,世の中はいまだに差別や偏見や狭隘な排他心に満ちています。地域文化研究は,それらに対する「負けないための戦い」の学問的武器であるべきだと思います。私は安吾のことばに背中を押され,これからも中国研究の場で戦ってゆくつもりです。

業績

業績

単行本(共著、分担執筆など)
□ 『罕為人知的中日結盟及其他──清末中日関係史新探』(孔祥吉と共著),巴蜀書社,2004年。
□ 『「婦女雑誌」からみる近代中国女性』(編),研文出版,2005年。
□ 『漢字圏の近代──ことばと国家』(共編),東京大学出版会,2005年。
□ 『シリーズ20世紀中国史』全4巻(共編),東京大学出版会,2009年。
□ 『新編 原典中国近代思想史 第2巻 万国公法の時代──洋務・変法運動』(責任編集),岩波書店,2010年。
□ 『新編 原典中国近代思想史 第3巻 民族と国家──辛亥革命』(責任編集),岩波書店,2010年。
□ 『従東瀛皇居到紫禁城──晩清中日関係史上的重要人物与事件』(孔祥吉と共著),広東人民出版社,2011年。
□ 『リベラリズムの中国』(編),有志舎,2011年。
□ 『清末中国と日本──宮廷・変法・革命』(孔祥吉と共著),研文出版,2011年。
□ 『インタビュー 戦後日本の中国研究』(共編),平凡社,2011年。
□ 『総合研究 辛亥革命』(編集委員),岩波書店,2012年。
□ 『東アジアの知識人』全5巻(共編),有志舎,2013年。

学術論文
● 「東アジアの思想連関──清末中国の『宗教』概念受容をめぐって」,三谷博編『東アジアの公論形成』,東京大学出版会,2004年。
● 「清代の正音教育と雍正帝」,『ODYSSEUS<東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究 紀要>』第8号,2004年。
● 「孫中山与辛亥革命時期的“五族共和”論」,『広東社会科学』2004年5期。
● 「清末民初──康有為」,平石直昭・金泰昌編『公共哲学17 知識人と公共世界』東京大学出版会,2006年。
● 「五四時期国語統一論争──従“白話”到“国語”」(趙京華訳),《東亜人文》第1輯,生活・新知・読書三聯書店,2008年。
● 「清末の言論自由と新聞──天津『国聞報』の場合」,『近きに在りて』第54号,2008年。
● 「アジアからの問題提起──中国医学をめぐって」,『岩波講座哲学15変貌する哲学』岩波書店,2009年。
● 「册封朝貢体制論再考:従日本的視点来看」,呉志攀・李玉編『東亜的価値』,北京大学出版社,2010年。
● 「銭玄同与漢字簡化──另一个簡体字」,牛大勇・欧陽哲生編『五四的歴史与歴史中的五四』北京大学出版社,2010年。
● 「日本の対華二一カ条要求と五四運動」,『岩波講座 東アジア近現代通史 第3巻 戦争と改造の時代――1910年代』岩波書店,2010年。
● 「辛亥革命の歴史的位置──中国史の『北』と『南』」,『アジア遊学148 王朝から国民国家へ──清朝崩壊100年』勉誠出版,2011年。
● 「晩清“国語”問題与単一語言制:以政治外交為中心」(趙京華訳),汪暉・王中忱主編『区域:亜洲研究論叢(第1輯)跨体系社会』清華大学出版社,2011年。
● 「思想史」,岡本隆司・吉澤誠一郎編『近代中国研究入門』東京大学出版会,2012年。
● 「従張謇的立憲運動看晩清中国人的日本観」,呉偉明編『在日本尋找中國:現代性及身份認同的中日互動』香港中文大学出版社,2012年。
● 「歴史から見る現代中国の問題」,中国研究所編『中国年鑑2012年版』毎日新聞社,2012年。
● 「中国ナショナリズムにとってのモンゴル」,ボルジギン・フスレ,今西淳子編『20世紀におけるモンゴル所属の歴史と文化──2011年ウランバートル国際シンポジウム』風響社,2012年。
● 「超越“紀念史学”──日本紀念辛亥革命一百周年国際会議記」(張玉萍訳),『開放時代』2013年第3期。
● 「岡倉天心的中国南北異同論」,『華東師範大学学報(哲学社会科学版)』 2015年第4期。
● 「近現代東亜的四個“戦後”」,『南国学術』5.3,2015年。

翻訳
○ 汪暉『思想空間としての現代中国』(共訳),岩波書店,2006年。

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関連HP→村田雄二郎研究室